講師Mのドイツ音大留学 ”なかなか聞けない留学体験記”⑨

 〜ドイツ音大ピアノ留学〜家探し

大学院の受験は、大きく分けて夏季と冬季の2回に分けて行われます。ただし通年で1度のみ試験を行う大学もありますし、編入等、他の方法で門戸が開かれている場合もあります。

 

私の場合は春にドイツに戻り、6月〜7月に行われる夏受験を目指す事になりました。

しかし、志望の先生どころか、どこを受験すれば良いのか、どうやって出願すればいいのか、それ以前に住むところも決まっていない状態。


 

の記事で紹介したアボと呼ばれる学生寮は、交換留学の間しか滞在できないとの事で、まずは退去までの23週間で0から家を探すことになりました。

 

家探しというと、ドイツ事情を知っている人からは「それはそれは大変だったでしょう」と心底共感して貰えるランキング上位に入るイベントです。

 

日本では不動産会社を通して物件探しをすることが多いようですが、ドイツでは基本的に大家に直接連絡をしなければなりません。

入居倍率は恐ろしく高く、メールで問い合わせても、30通に1通、返事があれば御の字。

ひたすら無視、無視、無視。

電話かけても同じか、挨拶した瞬間にガチャ切り。

定期的に送りつけられる「部屋は貸せるけれど今外国にいて鍵を渡せない。すぐ鍵を送るからお金を振り込んで欲しい」と英語で書かれた詐欺メール。

やっと内覧の約束を取りつけて、行ってみれば大行列、そして出てきた大家が「もう入居者は決まってるから帰ってくれ」などなど。

 

コールセンター並みに電話をこなした結果、私の元にやってきた1通のメッセージには、「明日の時に最寄りの〇〇駅で、証明書類をすべて持って来れるなら」との文面。この時点で退去までのリミットは数日。

 

大急ぎでパスポート、住民登録書類、電話契約書、残高証明、自己紹介文などを印刷し、翌日現場に急行。

煙草吸いません!パーティーもしません!などと猛烈にアピールた結果、なんとか一人暮らし物件を借りることができたのでした。


つづく。

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